寄生獣(漫画)のレビュー

 

 

作者:岩明均

巻数:全10巻(完全版全8巻)

ジャンル:SF、バトル


寄生獣(1) (アフタヌーンコミックス)

絵・画力     ★★★★☆
設定・世界観   ★★★★★
風呂敷のたたみ方 ★★★★☆
終わり方 ★★★★★
総評★★★★★

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絵・画力

 

とても上手いわけではないが、この漫画と完全にマッチしている絵柄だ。

 

特に寄生生物の書き方は秀逸で作者がいろいろ試行錯誤したり楽しんで
書いていることが伝わってくる。

 

かなりグロテスクな描写が有る為、耐性の無い人は読まない方が良い。

 

設定・世界観

 

基本的には人間の頭に寄生生物が進入し寄生される。
寄生された頭は寄生生物の意思があり
乗っ取られた状態になる。
頭は変形する事ができその機能を使って人間を食べるという設定。


主人公はイレギュラーで右腕に寄生され頭は人間、右腕は寄生生物という
状態になる。
奇妙な関係性から物語りは始まる。

 

寄生生物には感情が無い設定で、人が描く漫画なのだからその表現は
とても難しいと思うが
この漫画はそこをうまく描けていると思う。
岩明先生には感情が無いのではと思う程である。

 

日本で環境問題と言う言葉が当たり前になる以前から環境問題を指摘している。
自分は寄生獣を
読んでから環境問題を意識するようになり、
それがきっかけで(詳しくは言えないが)多少は
日本の環境問題が良くなる事に
貢献することが出来たと思う。

 

風呂敷のたたみ方

 

ストーリー、人間関係の部分ではしっかり結末まで描かれている。

 

一方、寄生生物に関する事は全てを描かないまま終わっているが違和感は無い。
下手に描いて世界観をせばめるよりは描かないで
想像の余地を残してくれた方が
楽しめる。

 

終わり方

 

少し余韻を残した終わり方になっている。

 

上に書いたようにストーリー、人間関係はきちんと終わりまで
描かれているが、
残った寄生生物の対処やその後の事、
日本以外の国での寄生生物の状況(アメリカでは軍事利用の示唆がある)

など多少気になる事が残された終わり方になっている。

 

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総評

まずこの漫画のすごい所は、たったの10巻なのにとんでもなく濃い内容、
世界観になっている事だ。未だになんでこの巻数でこんなにボリュームを
感じるのかは分析できていない。
真似する漫画家が出てこないということは特殊な漫画なのかもしれない。

 

寄生生物に与えた設定の中で、どんな攻撃方法があるか、どんな形状に変形
出来るか等、できる限りのパターンが描かれており読んでいると本当に驚かされる。

 

人間の顔から攻撃形態に変形する瞬間のパターンなんか1、2パターンあれば
十分だと思うが沢山のパターンが描かれていてすごい。

 

この漫画は寄生生物とのバトルも面白く描かれていてメインはそこになるのだろうが
作者が訴えたいのは環境問題だと思った。

 

二酸化炭素、森林伐採、フロン等、普通に生活しているだけで
気付かない内に先進国に住む人間は環境破壊に加担している。

 

そんな無意識に環境破壊している人達にちょっと立ち止まって自分が使っている物が
環境にどんな悪い影響を与えてしまっているのか考えよう。そして出来れば少しづつ
改善していこうと言うメッセージ込められていると思う。

 

こんな良いメッセージが込められているのに人に勧めにくいのは
かなりグロテスクな
描写が有る為であるが善悪の判断がついて
耐性の有る人には読んでほしいと思う。